ブレーキが効かなくなる危険を予測しよう!!

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おはようございます。

今日も埼玉県草加市 越谷市 千葉県市川市より「感謝・感動・安心・安全」をお届けするロジスペック株式会社です。

今日はブレーキが効かなくなる危険を予測しよう

  普段走行していて、ブレーキが効かなくなったという経験はありますか?

 経験した人ならわかるでしょうが、長い下り坂走行と、深い水たまり走行の後にブレーキ不能の危険があります。

  下り坂での危険は、一般車ではブレーキ装置の過熱によりブレーキが効かなくなるフェード現象やベイパーロック現象が発生するからです。また、大型車のエアブレーキの場合は、ブレーキの使いすぎでエアーが無くなってブレーキ不能となる場合もあります。


トラックの運転において、安全は第一。その安全にもっとも関係するといっても過言ではないのが「ブレーキ」です。そんなブレーキの効きを悪くする「フェード現象」を皆さんはご存じでしょうか。業務で扱うトラックを安全に運転するために、フェード現象とは具体的にどのような現象を指すのか、そのメカニズムや予防策、そしてペーパーロック現象との違いを解説します。

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フェード現象とは「ブレーキの効きが悪くなる現象」

フェード現象とは、車やバイク等の走行中に摩擦ブレーキを連続的に使用しすぎた結果、ブレーキの効きが悪くなる現象のことです。摩擦ブレーキとは、物体同士の摩擦抵抗を利用したブレーキのことで、車やバイク等の場合、フットブレーキが該当します。

フェード現象のメカニズムは以下のとおりです。

1.フットブレーキの使いすぎで摩擦材が加熱される

2.摩擦材の素材であるゴムや樹脂等が耐熱温度を超えて分解・ガス化する

3.ガス化した摩擦材がブレーキローターの間に入り込む

4.入り込んだガス膜が摩擦係数を低下させ、フットブレーキの効きが悪くなる

フェード現象が発生する温度はどれくらい?

フェード現象が生じ始める温度は「フェードポイント」と呼ばれます。フェードポイントは摩擦材の素材によって異なり、一般的な車体に多く採用されているノーマルパットでは、300度〜350度ほどに設定されています。高速運転に適したスポーツパッドでは、400度〜700度ほどに設定されています。

スポーツパッドの特徴には、フェード率の高さがあげられます。フェード率とは、フェードする前とフェード時の摩擦係数の変化値を表すものであり、フェード率が高いとフェード時でも摩擦係数が落ちづらいことを示しています。

スポーツパッドのフェード率は6080%であり、ノーマルパッドが4050%であることを考えるとその高さが顕著にわかります。フェード率はパッドに使用する樹脂類の成分やその含有量、または繊維質の材料などによって変化します。

参考元:DIXCEL「ブレーキに関する知識/ブレーキパッド編」

フェード現象はドラムブレーキで起きやすい

車のブレーキシステムは大きく「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2つに分けられます。

ディスクブレーキは、走行中に車輪と一体になり回転するディスクローターをブレーキパッドで挟み、その挟んだ際の摩擦力によって制動力を生み出す仕組みのブレーキシステムです。制動力とは、ブレーキ操作をおこ行なうことで生じる自動車を減速させる力のことを指します。

ディスクブレーキのメリットは、制動力が安定していることと、放熱性に優れており水分や汚れを弾きやすく、高速道路の走行時に強いブレーキング力を発揮する点です。

ドラムブレーキは、車輪の内側につけられたドラム内部にブレーキシューが装着されることで、ドラム内部から外側への圧着で制動力を生み出す仕組みのブレーキシステムです。ドラムブレーキのメリットは、構造がシンプルであるため、低コストで実装が可能な点です。一方でデメリットは、放熱性が悪い特徴があります。そのため、ドラムブレーキはフェード現象も招きやすいです。

このような傾向から、車体の前輪はディスクブレーキ、後輪はドラムブレーキの設計にしている車も少なくありません。

【補足】車のブレーキの仕組み

フェード現象の理解をより深めるためには、車のブレーキの仕組みを理解すべきですので、ここで簡単に解説します。車のブレーキで一般的に採用されているのは「油圧式ブレーキ」です。

油圧式ブレーキでは、ドライバーがブレーキを踏むとマスターシリンダーが作動し油圧がブレーキオイルによって発生します。油圧はブレーキパイプとブレーキホースを通じて、各車輪のブレーキパッドを押します。このブレーキパッドが摩擦材の役割となりディスクローターを両側から挟み込むことで車は減速します。

ペーパーロック現象とは

 

ペーパーロック現象とは、以下のような仕組みで起きるブレーキの異常を指します。

【ペーパーロック現象が起きる流れ】

・フットブレーキを使いすぎることで摩擦熱がブレーキフルード(ブレーキ液)に伝わる

・ブレーキフルードが沸騰し、気泡が発生する

・気泡が発生し、ブレーキペダルによって発生した油圧がブレーキフルードに伝わらなくなる

・こうしてブレーキが効かなくなる現象を「ペーパーロック現象」と呼ぶ

ウォーターフェード現象

ウォーターフェード現象とは、路面の水によってブレーキの摩擦材が濡れることで、ローターとパッドの隙間に水が入り込み水膜を作ることで、制動力が弱くなる現象を指します。冠水した道路や雨天の長時間運転、水没路面の走行時に起こりやすい特徴があります。

「グー」という嫌なブレーキ音がした際には、、ウォーターフェード現象が発生している可能性が高いので注意が必要です。また、水冷エンジンは冷却液が沸騰したとき、気泡が生じて著しくその冷却効果が落ちてしまう状態のこともウォーターフェード現象と呼ぶことがあります。

ハイドロプレーニング現象

ハイドロプレーニング現象とは、濡れた路面を高速で走行した際にタイヤと路面との間に水膜ができ、車体が浮いた状態になることで、ハンドルやブレーキがコントロールできなくなる現象のことです。「アクアプレーニング現象」と呼ばれることもあります。高速道路で起きやすいので、雨天の高速運転時には注意が必要です。

フェード現象への対策法

続いて、フェード現象への対策法を解説します。フェード現象によってブレーキが効きづらくなり事故を起こさないためにも日頃から頭に置いておきましょう。

エンジンブレーキを使う

エンジンブレーキを使うことでフェード現象を防ぐことができます。エンジンブレーキとは、エンジンの抵抗を利用したブレーキのことです。

車は走行時にアクセルペダルから足を離すと、タイヤの回転力でエンジンを動かしている状態になり、ブレーキを踏まなくてもやがて減速する仕組みになっています。フットブレーキを使用する際と異なり摩擦材が加熱することはないので、摩擦材の摩耗を防ぎながら制動力を生み出すことができます。

フェード現象を引き起こさないために、長い下り坂や高速道路の走行中、一般道での信号の手前などで積極的にエンジンブレーキを使うようにしましょう。

ブレーキオイルを小まめに交換する

車体に制動力を伝えるオイルをブレーキオイルまたはブレーキフルードと呼びます。現在、一般的な自動車には油圧式ブレーキが採用されています。

車体はブレーキペダルを踏むとブレーキキャリパー内のピストンが押し出され、ブレーキパッドがブレーキローターに押しつけられて制動力が生まれます。この際、ブレーキキャリパー内のピストンを押し出す作動油がブレーキオイルです。

ブレーキオイルは24年に一度を目安に交換しましょう。自動車整備工場やカー用品店・ガソリンスタンドで交換可能で、交換工賃は4,0005,000円ほどです。

ブレーキパッドの異常を早期に発見する

ブレーキパッドがすり減っていくとブレーキディスクにあたって「キーキー」という音が車体から鳴ります。このようなブレーキパッドの異常を感じたら、すぐにディーラーでブレーキパッドの交換(修理)を依頼してください。

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まとめ

業務量のトラックを運転している際、ブレーキが効きにくくなることは重大な事故を招きかねません。記事でご紹介したフェード現象をはじめ、ブレーキの効き具合に異常を感じたら、すぐに点検をおこなうようにしてください。あなたの用心深い点検の意識が、重大な事故を防ぐことにつながります。

            フェード現象とは、フットブレーキの使いすぎで摩擦材が加熱し、ブレーキの効きが悪くなる現象のこと

            ペーパーロック現象とは、フットブレーキの使いすぎで油圧がブレーキフルードに伝わらなくなりブレーキの効きが悪くなる現象のこと

            フェード現象を防ぐには、「エンジンブレーキを積極的に使う」「ブレーキオイルを小まめに交換する」「ブレーキパッドの異常を早期に発見する」ことが大切

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